海洋保全を加速させる
ソーシャル・
コミュニケーション
03
PROJECT
“Thank Blue” を体現する
グッズで、
消費を通じた
ソーシャルインパクトを目指す

海の課題をポジティブに発信するプロジェクト
海洋ごみをアップサイクルした「UMI-EMA」には
豊かな海への想いが続々と集まる

「海洋保全を加速させるソーシャル・コミュニケーション」は、深刻化する海洋問題に対して、多くの人が関心を持ってもらうことをテーマに、10社以上が様々なアイデアを出し合う分科会。
その中で、サステナビリティ・サーキュラーエコノミーなど幅広い分野でのウェブメディアを企画・運営するハーチ株式会社、漁業就業者の育成や漁業の魅力などを発信するフィッシャーマン・ジャパン、複合プラスチックのマテリアルリサイクルを手がける株式会社 REMAREが中心となって実現したのが「UMI-EMA」です。
海洋ごみをアップサイクルしてできた絵馬は、大阪・関西万博でも販売され、海の課題をポジティブに発信するグッズとして展開されています。

OUR CHALLENGES
解決したい課題

海洋ごみ、磯焼け、乱獲や違法漁業
海が抱える様々な問題を
楽しみながら知ってもらいたい

2050年には、海洋ごみの量が魚の量を上回るといわれるほど、社会的な問題となっています。その他にも、地球温暖化などが原因で海中の藻場が喪失してしまう「磯焼け」、水産資源の乱獲や違法漁業など、海は様々な問題を抱えていますが、多くの人はその現状を知りません。そこで、海が抱える様々な問題を楽しみながら知ることで、興味を持ってくれる人の裾野を広げていくことを目的にプロジェクトは立ち上がりました。海洋問題の解決には、先進的なテクノロジーも重要ですが、一人ひとりの認識と行動の変化が不可欠。このプロジェクトを通して、少しでも多くの人に海への想いが届くことを目指しています。

PROGRESS OF THE PROJECT
プロジェクトの進捗

TEAM IDEATION

深刻な海洋課題を
楽しみながら周知する
太陽のアプローチ

10社を超える分科会メンバーで意見を出し合いながらプロジェクトは進行しました。その中で大切にしたのが、ビニール袋を食べるウミガメや釣り糸が絡まった海鳥など、深刻な海の現状をそのままネガティブに発信していくのではなく、前向きな手法を用いて届けることで、楽しみながら多くの人に参加してもらいたいという考えです。これを北風と太陽の寓話になぞらえ「太陽のアプローチ」と名付け、ポジティブなアイデアを形にしていきました。

FIELD ACTION

廃棄漁具をアップサイクル
海への想いを繋いでいく
「UMI-EMA」の制作へ

様々なアイデアの中から、廃棄漁具をアップサイクルしたグッズを制作することが決定。多くの人に海洋課題に関心を持ってもらうために、ガチャガチャの景品やキーホルダーなど、身につけられるものが良いのではないかと多くの意見が出ました。大切にしたのは、純粋に欲しいと思えるもの、そして捨てられないものであること。最終的には、海への「想い」や「願い」を純粋に映し出し、それを多くの人に繋いでいくことを後押ししてくれるプロダクトとして「絵馬」に辿り着きました。

SOCIAL ACTIVATION

世界海洋デーに開催された
BLUE OCEAN FES.で
リリース開始!

廃棄漁具をアップサイクルした「UMI-EMA」は、全国2300社余りある住吉神社の総本社であり、古くから航海関係者などから崇敬されるなど海に所縁の深い「住吉大社」でお祓いを受けました。そして、2025年6月8日の世界海洋デーに合わせて、大阪・関西万博内で行われた「BLUE OCEAN FES.」でリリース。海の重要性を再認識するイベント内にブースを設置して販売することで、子どもから高齢者まで幅広い年代に向けて、楽しみながら海洋問題を訴求することに貢献しました。7月21日の「海の日」からは、住吉大社で「UMI-EMA」を販売しています。

INTERVIEW
インタビュー

大人の文化祭のような楽しい雰囲気で創造
生き物と人間の願いが重なる絵馬で
深刻な海洋課題をポジティブに伝える

「海洋保全を加速させるソーシャル・コミュニケーションの分科会は、10社以上が集まってみんなでワイワイと話しながらアイデアを形にしていく、大人の文化祭みたいな感じなんです。楽しい雰囲気だからこそアイデアや意見も出しやすく、ブレストも盛り上がります。このUMI-EMAのプロジェクトも複数社と共に多角的な視点で前向きに議論できたからこそ、プロダクト化まで辿り着けたと思います。」と話すハーチ株式会社の大石さん。各社がそれぞれ取組む事例を紹介しながら、ポジティブな意見を出し合う会の雰囲気が、コンセプトに掲げる〝太陽のアプローチ〟の原点にもなっています。三重県で複合プラスチックのマテリアルリサイクルを手がける株式会社REMAREの増田さんが絵馬の制作を担当し、海業との関わりが深いフィッシャーマン・ジャパンの土合さんがアイデアや進行を引っ張る形でプロジェクトは進んでいきました。

「プラスチックのリサイクル品は世の中に多く出回っていますが、それ自体も使い終わってまたゴミになってしまっては意味がありません。作ったからには捨てられないもの、長く手元に置いてもらえるものが良いとの想いから絵馬へと辿り着きました。そもそも絵馬は自分たちの願いを書くものですが、豊かな海への願いを一番持っているのは海の生き物だと思います。それなら生き物たちの願いも一緒に絵馬に表現することで、生き物の願いと私たち人間の願いが重なる素敵なアイデアを盛り込んでいます」とは株式会社フィッシャーマン・ジャパングループの土合さん。たくさんの魚たちと泳ぐジンベエザメには、「ごみではなく生き物がたくさんいる海で泳ぎたい」という願いが、大きく育つワカメには、「小さな芽のうちに食べられることなく、海の中でのびのび育ちたい」という願いを表現。その他にも乱獲などの水産資源の課題なども含めて、全5種類の絵馬が完成しました。

「UMI-EMA」を制作した株式会社REMAREの増田さんは、「普段の制作業務だけでなく、アイデア段階から携われたこのプロジェクトは大変有意義でしたし、自社の取組みにも大きくプラスになってくると思います」と、プロジェクトに関わる各社の今後の展開や発展にも大きな一歩だったと話しました。単一素材で再成型が容易な設計となっているUMI-EMAは、奉納・お焚き上げをするのではなく、お守りの様な縁起物としてお持ち帰りを推奨していますが、奉納の形で回収されたものに関しては再度マテリアルリサイクルすることも検討。自治体との連携を通じて、海が見える場所のベンチや施設の家具などの公共財にアップサイクルするなども構想されています。〝太陽のアプローチ〟の成功例として実現したUMI-EMAプロジェクト。今後も大人の文化祭のような雰囲気の中で、更なる楽しいアイデアが形になっていくはずです。

株式会社フィッシャーマン・ジャパングループ
土合和樹

ハーチ株式会社
大石竜平

株式会社REMARE
増田渚

▼「UMI-EMA」プロジェクトは、ハーチ株式会社が手掛ける
 「IDEAS FOR GOOD」にも掲載中!
https://ideasforgood.jp/2025/07/16/umi-ema/

MEMBER
メンバー

フィッシャーマン・ジャパン

漁業就業者の育成や漁業の魅力を発信するプロジェクトのほか、業界の課題や未来の水産業の発展を目指して様々な挑戦を続けている。

フェリックス・パートナーズ株式会社

「社会的価値」と「経済的価値」を同時に実現するイノベーティブな考え方をテーマに、企業の組織開発と人財育成研修・キャリア支援を手がける。

アイ-コンポロジー株式会社

天然の木粉やでん粉等のバイオマス粉体と生分解性ポリマーなどを溶融複合化した環境プラスチック材料を開発している。

ハーチ株式会社

サステナビリティ・サーキュラーエコノミー・金融投資など幅広い分野でのウェブメディアを企画・運営。

株式会社REMARE
レンゴー株式会社

古紙を主原料とする板紙、段ボールのほか、セロファンや球状セルロース粒子などの海洋でも生分解するセルロース製品を多く展開。

COMPANY
企業名

アイ-コンポロジー株式会社

アイ-コンポロジーは、天然の木粉やでん粉等のバイオマス粉体と生分解性ポリマーなどを溶融複合化した環境プラスチック材料を開発しているスタートアップ企業です。BOIでは、海洋でバクテリアによって完全生分解しマイクロプラスチックを残さない製品試作開発を行っています。浮遊フロートやパイプも作っています。
日本がめざす次世代の「バイオエコノミー社会」「ブルーオーシャン」に、オープンイノベーションで技術伝承を行い、日本のプレゼンスを上げたいと思っています。

PROJECT
プロジェクト

01
「あおいほしのあおいうみ」ビジュアルブックを活用した環境教育プログラム開発

COMPANY
企業名

ハーチ株式会社

“Publishing a Better Future”(よりよい未来を、みんなに届ける)をコンセプトに、サステナビリティ・サーキュラーエコノミー・金融投資など幅広い分野でのウェブメディアを企画・運営しています。主要メディアの「IDEAS FOR GOOD」は、海洋課題を含む幅広い環境・社会課題をクリエイティブに解決する国内外のアイデアや取り組みを掲載しています。また、「IDEAS FOR GOOD Business Design Lab」はSDGsやサステナビリティ、CSVやESGの視点から自治体様・企業様への事業伴走支援を行っています。

PROJECT
プロジェクト

01
「あおいほしのあおいうみ」ビジュアルブックを活用した環境教育プログラム開発

COMPANY
企業名

レンゴー株式会社

当社は、段ボール、軟包装等のパッケージと、その原材料となる板紙、フィルム等の素材を提供するメーカーです。
リサイクルされた古紙を主原料とする板紙、段ボールのほか、セロファンや球状セルロース粒子などの海洋でも生分解するセルロース製品を多く展開しています。
ブルーオーシャン・イニシアチブの活動としては、海洋プラスチック問題の解決に寄与するべく、当社セルロース製品を応用した漁具や藻場再生向け製品、プラ代替を目的とした段ボール製魚箱といった、海ごみにならない水産資材の開発に取り組んでいます。ぜひ当社の開発製品にご注目ください。

PROJECT
プロジェクト

04
大阪湾での藻場再生プロジェクト

COMPANY
企業名

フェリックス・パートナーズ株式会社

企業の組織開発と人財育成研修・キャリア支援を手がけています。経営人財育成プログラムの一つに、「社会的価値」と「経済的価値」の両方を同時に実現するイノベーティブな考え方をテーマにしたものも実施しています。ケースとして離島でのフィールドワークを行い、様々な社会課題を実際に体感する機会を提供しています。そこで直面したさまざまな海の課題に対し、何か実際に社会に貢献できることがないかとBOIでの活動を始めました。この活動を通して、海を起点にした環境保全に関して、環境教育の分野から情報発信したいと考えています。

PROJECT
プロジェクト

01
「あおいほしのあおいうみ」ビジュアルブックを活用した環境教育プログラム開発

REPORTS
活動レポート

2025.09.12
コミュニティミーティング

第14回ブルーオーシャン・リーダーズ
コミュニティミーティング

【実施概要】●日時:2025年9月12日(金)13:30~17:00●開催場所:LMJ東京研修センター●アジェンダ:挨拶/ご報告・新規会員紹介/ゲスト講演(自治体大会)/大阪・関西万博「BLUE OCEAN DOME(Z […]

2025.09.01
事業連携協定

海のネイチャーポジティブ シンポジウムに登壇

  2025年7月25日、ブルーオーシャン・イニシアチブの会員メンバーである株式会社シンク・ネイチャーが主催する「海のネイチャーポジティブ シンポジウム」にて、一般社団法人ブルーオーシャン・イニシアチブは、「海洋課題解決 […]

2025.09.01
事業連携協定

ミネルバ大学とブルーオーシャン・イニシアチブがインターンシップ連携を推進

 産官学民金の各フィールドから100を超える企業・団体・自治体のメンバーが集う海洋課題解決を目指す共創アクションプラットフォームであるブルーオーシャン・イニシアチブと、2022年より4年連続で、世界で最もイノベ […]

2025.05.22
シンポジウム

ICCA&WCO2025国際サミットに登壇

2025年5月22日、ICCA&WCO2025国際サミットにて、レンゴー株式会社、対馬市、一般社団法人ブルーオーシャン・イニシアチブは、「海洋課題の現状と企業の立ち向かい方」をディスカッションテーマに登壇いたしました。 […]

2025.05.09
コミュニティミーティング

第13回ブルーオーシャン・リーダーズ
コミュニティミーティング

【実施概要】●日時:2025年5月16日(金)13:30~17:00●開催場所:YAMAHA MOTOR Regenerative Lab(リジェラボ)●アジェンダ:挨拶/新規会員紹介/ゲスト講演/分科会進捗発表/交流会 […]

2025.05.01
分科会

ブルーオーシャン・イニシアチブ分科会①
プラスチックバリューチェーン勉強会

1.廃棄物処理の世界~動脈と静脈 産業構造~ 【実施概要】●日時:2025年4月16日(水)18:00~19:00●開催場所:オンライン会場      リアル現場(ヤマハ発動機 リジェラボ・ロート製薬 グランフロント大阪 […]

2025.03.11
コミュニティミーティング

第12回ブルーオーシャン・リーダーズ
コミュニティミーティング

【実施概要】●日時:2025年2月14日(金)13:30~17:00●開催場所:YAMAHA MOTOR Regenerative Lab(リジェラボ)●アジェンダ:挨拶/新規会員紹介/リジェラボ・取組みご紹介/ゲスト講 […]

2025.02.02
コミュニティミーティング

第11回ブルーオーシャン・リーダーズ
コミュニティミーティング

【実施概要】●日時:2024年12月13日(金)13:30~16:30●開催場所:LMJ東京研修センター●アジェンダ:挨拶/新規会員紹介/ゲスト講演/分科会進捗発表/交流会●参加人数:会場参加者約65名 オンライン参加者 […]

2024.11.15
シンポジウム

ResorTech EXPO 2024
in Okinawaに登壇

2024年11月15日、ResorTech EXPO in Okinawa(リゾテックエキスポ)にて、アビームコンサルティング株式会社、一般社団法人ブルーオーシャン・イニシアチブの2社は「デジタルで捉える海とその課題、デ […]