ブルーオーシャン・イニシアチブ設立準備委員会メンバーが、長崎県対馬市を訪問しました

2022/10/26-27

対馬市美津島町赤島での回収作業

2022年10月26日、27日にブルーオーシャン・イニシアチブ(BOI)設立準備委員会メンバーは、BOIの活動のひとつとして計画している「マリン・リビングラボ」の実証候補地である長崎県対馬市に訪問し、海岸での海ごみ回収ボランティア、また現在、対馬市で進められている廃棄物およびその他の資源活用についての見学会を実施しました。

四方を海に囲まれる日本の海岸は、海洋に流出したプラスチックが多く漂着しています。日本は海岸線が長く、自治体などが清掃活動を行う海岸ではプラスチックごみは回収されていますが、清掃が難しい海岸に漂着すると、ごみはそのまま蓄積してしまいます。対馬市は特に、日本の中でも漂流ごみのホットスポットとも言われています。対馬市には年間約20,000~30,000㎥の海洋ごみが漂着し、その約70%がプラスチックであると推測されているそうです。また対馬は複雑に入り組むリアス式の海岸線であり、ごみを回収するとしても陸からのアプローチが難しく、漂着ごみの約1/3は回収されているそうですが、回収できない漂着ごみは分解されて海に流れるか、そのまま海岸に蓄積してしまうそうです。また、その量は年々増えているとのことです。

対馬市クリーンセンター中部中継所での見学会

プラスチックの問題は、世界の海と繋がるあらゆる地域が、まず陸上で適正にプラスチックやごみ処理をしないと解決しませんが、すでに漂着してしまったごみの資源化についても考えていかなければなりません。対馬市クリーンセンター中部中継所では、回収されたプラスチックの活用に取り組んでいる様子を見学しました。対馬市では回収プラスチックを使い、ペットボトルや洗剤ボトル、ごみ袋、折りたたみコンテナ、買い物かご、ボールペンなどに活用されており、また発泡スチロールはペレット化して熱回収するための燃料化プロジェクトが進行中とのことですが、その量はまだ限定的とのことです。

今後BOIはこの対馬をフィールドにして、行政、市民を巻き込んだリビングラボを構想し、海洋における諸問題についてBOIというプラットフォームを活用することで、具体的な解決へのアクションを起こすことを目指します。