ブルーオーシャン・イニシアチブ事務局メンバーが対馬市を訪問、実地調査、意見交換会を実施
2023/2/13-14
2023年2月13日、14日にブルーオーシャン・イニシアチブ(BOI)事務局メンバーは長崎県対馬市へ訪問し、対馬市島内における海ごみ、廃棄物およびその他の資源活用についての実地調査、意見交換を行いました。
対馬市交流センターで実施された意見交換会では、比田勝尚喜対馬市長をはじめ対馬市役所や長崎県対馬振興局、対馬市関連企業、団体の皆様にお越しいただき、BOIが計画する、島嶼部が抱える課題(海洋ゴミ、エネルギーの自活、人口減少、交通インフラ普及など)の解決にBOI参加企業が様々なソリューションを提供し、行政が実証実験の現地アレンジと、住民の参加をサポートする「対馬マリン・リビングラボ」についての提案、対馬市が抱える課題のヒアリング、各団体からの意見交換などを行いました。
また今回対馬の西側に位置する佐保海岸を見学し、漂着ごみの現状を目の当たりにしました。対馬には年間約20,000~30,000㎥の海洋ごみが漂着し、その約70%がプラスチックであるとていると推測されていますが、対馬は複雑に入り組むリアス式の海岸線であり、ごみを回収するとしても陸からのアプローチが難しく、毎年8,000~9,000㎥ほどが回収されますが、回収できない漂着ごみは分解されて海に流れるか、そのまま海岸に蓄積し、その量は年々増えているとのことです。
漂着ごみ以外にも、訪問先の一つである美津島漁協鴨居瀬支所で伺った話では、かつて豊富であった藻場が近年急激に減少しており、要因は気候変動など様々ですが、特に大きな要因は魚類による食害であり、食害生物除去が課題になっているとのことでした。美津島漁協鴨居瀬支所では優良な磯根漁場を再生することを目的に「鴨居瀬地区藻場保全組織」を設立し、食害生物であるノトイスズミの除去、食用化や海藻の種苗投入による藻場再生の様子を見学させていただきました。
今後、BOIは対馬市と連携協定を結び「対馬マリン・リビングラボ」プロジェクトを推進していくことで、島嶼部をフィールドにBOIでの様々なチャレンジが達成できれば、あらゆる地域での展開可能な自律的な産業振興のきっかけとなり、「海の保全と繁栄」を両立させる希望へと繋げていこうと考えています。