第2回ブルーオーシャン・イニシアチブ コミュニティミーティング 開催
2023/5/12

2023年5月12日(金)に、ブルーオーシャン・イニシアチブ(BOI)の第2回共創コミュニティイベントは、Plug and Play Japanの渋谷本社にて開催され、初参加者を含む約40名の企業やスタートアップの関係者が一堂に会しました。第1回に引き続き、参加者間の交流を深め、活発な意見交換を行う機会となりました。
今回のゲストスピーチは、2講演あり、笹川平和財団 海洋政策研究所上席研究員
渡邉敦様、株式会社イノカ COO 竹内四季様にご登壇いただきました。
笹川平和財団 海洋政策研究所の渡邉様からは、「日本を代表するブルーカーボン認証Jブルークレジット(JBC®️)」と題し、日本が主導しているブルーカーボン認証「Jブルークレジット(JBC®️)」についてご説明いただきました。また、ブルーカーボンの概念、気候変動緩和への潜在的な役割、そしてブルーカーボンクレジットの活用についての国内外のトレンドについて詳細なお話をいただきました。(下記一部抜粋)
- 笹川平和財団海洋政策研究所の感じる問題意識
①今の海が持続可能ではないこと、
②海に守られてきた国だからこそ海をこれから守らなければならない - 東洋の考えを欧州の考え方と織り交ぜ、平和と安全な世界を海洋から構築していきたい
- ランティアベースのSDGsの取り組みは長期的に持続しないので、JBE(ジャパンブルーエコノミー)を立ち上げ、カーボンオフセットの仕組みを作った。
- 2030年およびその先に関しては、取引量として数10,000t規模を目指している。
参加者からは、このテーマに対する深い興味が寄せられ、海洋大国である日本の取組みをどのように世界に広げていくか、また、森林と比較した際のカーボンクレジットの金額についてなど、積極的な質疑応答が行われました。


株式会社イノカの竹内様からは、「水生生物の環境移送技術とその未来社会への影響」をテーマに講演いただきました。(下記一部抜粋)

- 海の生き物のうち25%は、珊瑚礁(割合としては海全体の0.2%)の周りを住処にしており、過密な大都市である珊瑚礁に海の生き物は住んでいる。70-90%の珊瑚礁は、2040年に死滅してしまう。
- 海で何が起きているかを見るのは大変だが、海を1ピース切り取り陸上に持ってくることを発想に、海のリアルな環境をAIなどを用いて大都会に再現している。
- この「環境移送技術」を用いて、海の見える化を目指している。東京の水道水で作っているので、どこでもこういった環境が作れる技術がある。
- 子供に向けた教育の一環として珊瑚礁ラボを社内で実施。カードゲームも開発。2年半ほどで6000人ぐらいが参加している。
後半のオープンディスカッションでは、自社技術との協業の可能性、珊瑚やヘドロ以外の環境移送の新たな活用用途、陸上での研究とフィールド(実際の海)の兼ね合い、子供たちへの教育(環境版ディズニーランドを目指す)など、多岐に渡るディスカッションとなり、質問が尽きない時間となりました。

新たに6社がこのコミュニティイベントに参加し、海洋問題へ取り組む企業同士の共創の兆しが感じられる熱気のある会となりました。


【概要】
- 日時:2023年5月12日(金)15:00~19:00
- 場所:Plug and Play Japan 本社
- アジェンダ:挨拶/BOIの紹介/ゲスト講演/交流会
- 参加人数:約40名
【ゲスト講演】
- 笹川平和財団 海洋政策研究所上席研究員 渡邉敦様
「日本を代表するブルーカーボン認証Jブルークレジット(JBC®️)」 - 株式会社イノカ COO 竹内四季様
「水生生物の環境移送技術とその未来社会への影響」