「対馬海ごみシンポジウム2023」にて、代島代表理事が講演

2023/7/15

会場の様子

海洋プラスチックごみやマイクロプラスチックごみ、そしてその回収と再資源化の課題について、日本で海洋ごみが大量に漂着している対馬市で、今後どのような取組を進めていくべきか。各界の有識者が様々な立場から現状共有とアクションについて発表し、ディスカッションをおこなう「対馬海ごみシンポジウム2023」が開催され、BOI代島裕世代表理事が、講演とパネルディスカッション登壇をいたしました。

代島代表理事 登壇の様子

シンポジウムの冒頭、環境省 水・大気環境局 海洋環境課 大井課長より、「日本をとりまく海洋プラスチックごみの現状と取組」と題し、エビデンスベースでの海洋汚染の概況と、2024年11月を目指すプラスチック汚染に関する国際条約策定に向けた交渉状況が示されるともに、課題解決に向けた国内での様々なアクション施策が共有されました。また、対馬市 前田係長より、対馬市の海ゴミ漂着の悲惨な現状が報告されるとともに、磯焼けなどの気候変動問題の影響にも触れ、複合的な課題解決の必要性が主張されるとともに、こうした課題解決に向け、BOIのアクションへの高い期待が寄せられました。続けて、鹿児島県大崎町 環境政策課 松元課長からは、「リサイクルの町から世界の未来をつくる町へ」と題し、いかにして、行政、市民、企業が一体となって、ごみのリサイクル率日本一を達成したか、その長年にわたる産官学の意識改革と態度変容のノウハウが公開されました。

海ごみに代表される、こうした地球規模の課題解決に向け、企業は事業創造を通じて何ができるのでしょうか。関西再資源ネットワーク 福田社長から、「対馬モデル案構想の実現に向けて~“海ごみ”から“共創の価値”の創出を目指して~」と題し、対馬モデルと呼ばれる、海ゴミのサーキュラーサイクルの現状と課題、そして島嶼部における自律的なゴミリサイクルの確立に向けた今後のチャレンジが語られました。そして、講演の最後の締めくくりとして、BOI代島代表理事より、これらの課題解決に向けたステークホルダー連携の重要性と、対馬におけるアクションの活発化、そして2025大阪・関西万博の企業パビリオン「ブリーオーシャン・ドーム」を活用した、海の課題の世界的PRとアクションへの希望が示されました。

対馬市前田氏説明資料 🄫対馬市

第2部では、対馬で長年活動される一般社団法人CAPPAの上野代表理事のファシリテーションのもと、登壇者の環境省 大井課長、BOI代島代表理事に、比田勝対馬市長、清野九州大学准教授、学生ボランティア団体IVUSAの高橋前プロジェクトマネージャーを加え、活発な議論が展開されました。社会課題の最前線である対馬は、スタディー・ツアーやサーキュラー・エコノミーを学ぶ上で、サスティナブルな社会創造に向けたチャレンジをする企業や社会的リーダーにとって素晴らしい魅力を備えていること、また海に関わる対馬の人々が持つ様々な伝統的知恵やオープンマインドさは、見えない資産を見える化することでもっとグローバルに発信・活用できること、などの意見が交わされました。また、もはや課題認識のステージではなく、具体的なアクションのステージに立っていることが、各登壇者から印象的に語られました。対馬の一般市民が多数参加した会場は熱気に包まれ、「非常に勇気を得た」との感想も多く寄せられ、盛況なイベントとなりました。

翌日には、日韓学生共催によるビーチクリーン活動が行われ、グローバル・コモンズである海の課題解決に向け、国際的な共創アクションが行われるなど、未来に向けた希望が感じられた2日間となりました。

https://www.youtube.com/watch?v=ImRaO-VKDTs

【概要】