ブルーカーボンの
普及促進と関連商品・
産業の創出
04
PROJECT
大阪湾での
藻場再生プロジェクト

豊かな藻場再生・ブルーカーボン創出と共に
深刻化する海洋プラスチック問題解決にも貢献
大阪湾の取組みを国内外に発信する

2025年の大阪・関西万博の開催にあわせて万博会場周辺海域にブルーカーボン生態系を創出し、大阪湾における取組みを国内外に発信することを目的に、2024年6~7月に一般公募された「大阪府万博会場周辺海域ブルーカーボン生態系創出事業補助金」。
「豊かな大阪湾」の実現に向けて大阪湾沿岸を藻場などで取り囲む「大阪湾MOBAリンク構想」の取組みのひとつとして大阪府が実施した事業に対し、住友大阪セメント株式会社とグループ会社の株式会社SNCが応募。ブルーオーシャン・イニシアチブでの出会いを活かし、レンゴー株式会社ほか協力会社との共創によるプロジェクトとして採択されました。現在は、2025年1月に独自開発の着脱式藻場増殖プレートを設置して、モニタリングを実施。効果を高めるための研究開発を続けています。

OUR CHALLENGES
解決したい課題

「磯焼け」現象が全国各地で発生
地球温暖化対策として効果的な
ブルーカーボンに関する取組みは
世界的にも注目されており
市場成長が予想される分野

地球温暖化の影響によって海水温が上昇し、植食性魚類等が活発化したことなどにより藻場が消失する「磯焼け」現象が全国各地で発生。海産物がとれないなど、漁業関係者を中心に深刻な問題となっています。また、海草、海藻などの海洋生態系が光合成によって炭素を吸収・貯留するブルーカーボンは、地球温暖化対策の一環としても注目されています。世界銀行によって、海藻を新たな用途で活用する10件の新市場が特定。2030年までに最大1.7兆円の市場成長が予測されていること、先進的な取組みを行う企業事例がまだ少数であることから、新たな市場を開拓するという意味でも可能性が大きな事業となります。

PROGRESS OF THE PROJECT
プロジェクトの進捗

TEAM IDEATION

共創によって実現
海で生分解する種糸で
環境負荷も圧倒的に軽減

種糸を笩で中間育成し、食害にも耐えられるように成長させた海藻の幼体を移植する藻場造成技術を持つ住友大阪セメント株式会社。独自開発した着脱式藻場増殖プレートは、プレートと種糸で構成されており、プラスチック製の種糸による海洋プラスチック問題への影響が懸念されていました。そこで、海中で生分解するセルロース素材を展開するレンゴー株式会社との共創による、環境面に配慮した種糸の開発に着手しました。

FIELD ACTION

環境や海藻の種類の違い
効果的な生分解速度を求めて
両社が協力して研究を実施

2024年7月31日に採択を受け、各社の取組みがスタート。20年以上に渡って磯焼け対策製品を開発・事業展開し、藻場増殖礁の沈設は4000基以上という実績を持つ住友大阪セメント株式会社ですが、設置場所や新たな種類の海藻を取り扱うことから試行錯誤を繰り返しました。また、レンゴー株式会社もセロファン糸を種糸として効果的に活用できるよう、生分解速度をコントロールする研究開発を実施。その他の協力会社と共にプロジェクトに精力的に取り組んでいます。

SOCIAL ACTIVATION

2025年1月に設置
モニタリングを実施し
ワカメは順調に生育

2025年1月14日から19日までに、ワカメを中間育成した着脱式藻場増殖プレートを大阪湾の湾奥部に位置する咲洲西護岸の傾斜型護岸に310枚設置。2月と3月に住友大阪セメント株式会社が、3月と5月に大阪府がモニタリングを実施しました。徳島と長崎で中間育成した一般的なワカメ、早生ワカメを利用しましたが、モニタリングの結果、プレートではワカメの株も数多く確認され、大型のワカメの藻長は180cm程度まで順調に生育。生分解性種糸もプレートに保持されていることが確認できました。

INTERVIEW
インタビュー

産官学民のネットワークだからこそ実現
共創プロジェクトにより
各社の開発も加速する

「このプロジェクトの実現は、ブルーオーシャン・イニシアチブの見学会参加から始まりました」と話す住友大阪セメント株式会社の國西さん。20年以上前から磯焼け対策製品を開発・事業展開していた同社ですが、その取組みを対外的に発信していきたい、他社との連携を促進させたいとの想いによる参加でした。「参加した見学会で、大阪府様によるMOBAリンク構想についての登壇による紹介やレンゴー株式会社様との交流があり、大変有意義でした。また、ブルーカーボンへの取組みは経済合理性がまだまだ低く、目に見えるものにしていくためには1社だけでは難しい。様々な知見をお持ちの企業・団体と共創できることも魅力でした」。2024年4月に正式入会し、大阪府、レンゴー株式会社との共創プロジェクトが始動することになる。

製紙や段ボールなどパッケージ事業を主とするレンゴー株式会社は、海洋プラスチックごみにならないパッケージや木材由来のセルロース資材も開発。海で生分解するセルロース素材を水産業に展開できないかと考えていました。「海でどのような資材が必要とされているのかの知見がなかったですし、実際に開発して試験をしようとしてもそのフィールドを持っていませんでした。何から手をつけていけばいいのか悩んでいたこともあり、多くの人からヒアリングする機会を求めてブルーオーシャン・イニシアチブに参加しました」と話すレンゴー株式会社の吉田さん。今回の共創プロジェクトでは、セロファン糸の生分解速度のコントロールが課題でしたが、試行錯誤を繰り返しながら、開発を進めてきた。「このプロジェクトで直面した課題を解決することで種糸としての適性を持つセロファン糸開発の糸口が見えてきました。ただ、生分解される種糸というだけではなく、実用性や機能性などで付加価値をつけるべく研究開発を進めています」。

「今まさに会期中の大阪・関西万博を契機に、未来に向けた大阪湾の取組みを国内外に発信していけたらと思います」と話す大阪府の吉見さん。海洋問題に長年取り組んできた企業、新たに海の事業に参入する企業に加え、自治体等が参加する産官学民のネットワークだからこそ実現できることがある。海洋生態系の保全に加えて、漁業振興などを通して地域活性化にも繋げていきたいという想いを抱きながら、大阪湾のプロジェクトは更に加速していく。

住友大阪セメント株式会社
セメント・コンクリート研究所
地球環境調和研究グループ
國西 健史

大阪府環境農林水産部
環境管理室 環境保全課
吉見 翔太郎

レンゴー株式会社 中央研究所
研究企画部 企画第一課
吉田 香央里

MEMBER
メンバー

住友大阪セメント株式会社

魚礁、藻場礁の製造・沈設の海洋製品事業を20年以上前から展開し、独自の藻場増殖プレートは30万枚以上の納入実績があります。

レンゴー株式会社

古紙を主原料とする板紙、段ボールのほか、セロファンや球状セルロース粒子などの海洋でも生分解するセルロース製品を多く展開。

大阪府

大阪湾をブルーカーボン生態系の回廊でつなぐ「大阪湾MOBAリンク構想」の実現をめざして、民間企業等と連携しています。

COMPANY
企業名

住友大阪セメント株式会社

住友大阪セメントは創業以来百有余年、一貫してセメントや関連製品の供給を通じて、社会インフラ整備という公的な事業の一端を担ってきました。グループ会社の㈱SNCと共同で、コンクリートのプレキャスト技術を応用し、日本沿海の磯焼け対策のニーズに応え、魚礁、藻場礁の製造・沈設の海洋製品事業を20年以上前から展開し、長崎県を中心に4,000基以上、世界初の技術である独自の藻場増殖プレートは30万枚以上の納入実績があります。
これらの実績に裏付けられた革新技術で海洋環境を回復させる「ネイチャーポジティブ」企業を目指し、生物多様性の保全に積極的に貢献していきます。

PROJECT
プロジェクト

04
大阪湾での藻場再生プロジェクト

COMPANY
企業名

レンゴー株式会社

当社は、段ボール、軟包装等のパッケージと、その原材料となる板紙、フィルム等の素材を提供するメーカーです。
リサイクルされた古紙を主原料とする板紙、段ボールのほか、セロファンや球状セルロース粒子などの海洋でも生分解するセルロース製品を多く展開しています。
ブルーオーシャン・イニシアチブの活動としては、海洋プラスチック問題の解決に寄与するべく、当社セルロース製品を応用した漁具や藻場再生向け製品、プラ代替を目的とした段ボール製魚箱といった、海ごみにならない水産資材の開発に取り組んでいます。ぜひ当社の開発製品にご注目ください。

PROJECT
プロジェクト

04
大阪湾での藻場再生プロジェクト

COMPANY
企業名

大阪府

大阪府では、良好な水環境が守られ、多様な生物を育む「豊かな大阪湾」の実現をめざしており、大阪湾は2025年の大阪・関西万博や、2026年の全国豊かな海づくり大会「魚庭(なにわ)の海おおさか大会」の開催など、国内外から注目されています。
このため、多様な主体とともに、大阪湾沿岸をブルーカーボン生態系(藻場・干潟等)で取り囲む「大阪湾MOBAリンク構想」や、オール大阪でのごみ削減を図る「OSAKAごみゼロプロジェクト」を推進する他、次世代に海の大切さを伝える普及啓発や里海づくりによる生物が生息しやすい場の創出等を進めています。

PROJECT
プロジェクト

04
大阪湾での藻場再生プロジェクト

REPORTS
活動レポート

2025.05.22
シンポジウム

ICCA&WCO2025国際サミットに登壇

2025年5月22日、ICCA&WCO2025国際サミットにて、レンゴー株式会社、対馬市、一般社団法人ブルーオーシャン・イニシアチブは、「海洋課題の現状と企業の立ち向かい方」をディスカッションテーマに登壇いたしました。 […]

2025.05.09
コミュニティミーティング

第13回ブルーオーシャン・リーダーズ
コミュニティミーティング

【実施概要】●日時:2025年5月16日(金)13:30~17:00●開催場所:YAMAHA MOTOR Regenerative Lab(リジェラボ)●アジェンダ:挨拶/新規会員紹介/ゲスト講演/分科会進捗発表/交流会 […]

2025.05.01
分科会

ブルーオーシャン・イニシアチブ分科会①
プラスチックバリューチェーン勉強会

1.廃棄物処理の世界~動脈と静脈 産業構造~ 【実施概要】●日時:2025年4月16日(水)18:00~19:00●開催場所:オンライン会場      リアル現場(ヤマハ発動機 リジェラボ・ロート製薬 グランフロント大阪 […]

2025.03.11
コミュニティミーティング

第12回ブルーオーシャン・リーダーズ
コミュニティミーティング

【実施概要】●日時:2025年2月14日(金)13:30~17:00●開催場所:YAMAHA MOTOR Regenerative Lab(リジェラボ)●アジェンダ:挨拶/新規会員紹介/リジェラボ・取組みご紹介/ゲスト講 […]

2025.02.02
コミュニティミーティング

第11回ブルーオーシャン・リーダーズ
コミュニティミーティング

【実施概要】●日時:2024年12月13日(金)13:30~16:30●開催場所:LMJ東京研修センター●アジェンダ:挨拶/新規会員紹介/ゲスト講演/分科会進捗発表/交流会●参加人数:会場参加者約65名 オンライン参加者 […]

2024.11.15
シンポジウム

ResorTech EXPO 2024
in Okinawaに登壇

2024年11月15日、ResorTech EXPO in Okinawa(リゾテックエキスポ)にて、アビームコンサルティング株式会社、一般社団法人ブルーオーシャン・イニシアチブの2社は「デジタルで捉える海とその課題、デ […]

2024.09.10
コミュニティミーティング

第10回ブルーオーシャン・リーダーズ
コミュニティミーティング

【実施概要】●日時:2024年9月13日(金)13:30〜16:30●開催場所:LMJ東京研修センター●アジェンダ:挨拶/新規会員紹介/ゲスト講演/分科会進捗発表/交流会●参加人数:会場参加者約60名 オンライン参加者約 […]

2024.05.14
対馬ブルーカレッジ

2024年6月開講「対馬ブルーカレッジ:次世代海業創出プロジェクト研究」において、B O I が協力致します。

2024年5月14日、対馬市交流センターにて、対馬市、サラヤ株式会社、一般社団法人ブルーオーシャン・イニシアチブ、学校法人先端教育機構事業構想大学院大学の4者は、対馬市域の発展や海洋問題解決を目的に「対馬ブルーカレッジ: […]

2024.05.10
コミュニティミーティング

第9回ブルーオーシャン・イニシアチブ
コミュニティミーティング開催

【実施概要】●日時:2024年5月10日(金)13:30〜16:30●開催場所:事業構想大学院大学 東京校 別館●アジェンダ:挨拶/新規会員紹介/ゲスト講演/分科会/交流会●参加人数:会場参加者約70名 オンライン参加者 […]