新事業創造と
地域創生
有機的な繋がりを目指すマッチングサービスが
海業で増加する遊休施設の利活用を促進
衰退していく漁業や漁村の課題解決を目指して、2025年5月にオープンした「海業マッチングサービス」。このサービスは、フィッシャーマン・ジャパンと株式会社ドッツの共創プロジェクトとして展開され、漁港や海辺の遊休施設と、それらを活用したい企業・団体・個人とをつなぐ新しいマッチングプラットフォームとして注目されています。
初期段階では、海業の活性化に精力的な自治体であり、本サービスと業務提携を結ぶ静岡県を中心に運用を開始。この画期的なプロジェクトは、今後の全国展開を視野にいれながら、海業の未来を明るく変えるべく、一歩一歩着実に進行しています。
OUR CHALLENGES
解決したい課題

漁業の衰退により増加する遊休施設
複雑な権利関係が足枷で滞る
施設の利活用を推進させたい
漁業や漁村の衰退により漁協の統合が促進され、全国各地に遊休施設が増えています。そのような課題を解決するために、国も漁業者をはじめとする漁村地域の活性化に力を入れていますが、他の業種と比較しても権利関係や手続きが複雑な海業では、遊休施設を活用したいという企業・団体があったとしても、契約まで至らない事案が多くあります。利用されていないのに、固定資産税だけを払い続けている遊休施設。施設の利活用が進まないことで、建物の劣化はもちろん、新たな働き先が生まれないことで、漁村地域全体が衰退する一因ともなっています。
PROGRESS OF THE PROJECT
プロジェクトの進捗

2社の得意分野を活かし
水揚げに依存しすぎない
新たな収益モデルを模索
フィッシャーマン・ジャパンは、全国にある漁村の現状や海業に従事する方からのリアルな声をヒアリングする中で、水揚げに依存しすぎない新しい収益モデルの必要性を痛感していました。そこで、様々な業種のデジタルマーケティングを手掛けてきた株式会社ドッツと共創。海業に関わる人や施設と、それらを活用したい企業・団体をつなぐプラットフォームの構築に取り組みました。海業の現場を知る企業とデジタルマーケティングを専門とする2社の共創だからできたプロジェクトです。

海業に従事する人の
リアルな声を参考にした
マッチングサイトが誕生
開発当初は、漁業だけに留まらない街全体の包括支援サービスを目指してスタート。しかし、プロジェクト実現へのスピード感やサービスの明確化などを考慮して、初期は漁業に特化する形で構築が進みます。株式会社ドッツがサービスの概念をビジュアル化し、それを元にフィッシャーマン・ジャパンが現場でヒアリング。海業に従事する人のリアルな声を参考にしながら、試行錯誤を繰り返して、2025年5月にマッチングサイトがオープンしました。

様々なソリューションを持つ
プロフェッショナルが集い
複雑化する海業の課題を解決
初期段階は、海業に力を入れている静岡県と業務提携を結び、活用できる県内の遊休施設をサイトに掲載。海業の課題を解決するための専門知識や技術を持つ協力会社の情報も一覧表示しています。海業の課題は多岐に渡り、解決へのプロセスも複雑なため、様々なソリューションを持つプロフェッショナルが集うことが重要です。まずは静岡県をフィールドに、解決事例を積み重ねていくことでノウハウを蓄積。将来的には、共通課題を抱える全国の海業への展開を計画しています。
INTERVIEW
インタビュー


〝プロの繋ぎ屋さん〟に徹することで
海業に関する人や施設、技術やノウハウなど
総合的なデータが揃うプラットフォームへ
「海業の持続的な活性化を考えた時に、課題や選択肢が多すぎたので、たくさんある課題の中から遊休施設の利活用にフォーカスしました。海に関わる様々な取り組みをされている企業・団体は多いのですが、一企業の力だけでは課題解決は困難です。それら点と点をつなぐことが出来たらという想いが、このマッチングサービスの出発点でした」と話す株式会社ドッツの片野坂さん。デジタルマーケティングを本業とする同社は、様々なマッチングサービスの運営に携わってきましたが、海業への知見や現場感が不足していました。その不足部分を補い、海業で働く人たちのリアルな声や課題リサーチのほか、自治体や現場との交渉を担ったのが、フィッシャーマン・ジャパンの津田さんです。それぞれの得意分野を活かしての共創プロジェクトにより、現場から求められるサービスへとブラッシュアップしていきました。
「国は海業の推進に力を入れていますが、法律や権利などの問題が複雑で上手くいっている事例は一握りです。僕たちの力だけでは難しいので、様々なソリューションを持つプロフェッショナルの集結が不可欠。私は実践できる場を用意しながら〝プロの繋ぎ屋さん〟に徹することで、みんなで海の課題を解決していけたらと思っています」と津田さん。当事者同士では上手くいかないことを第三者として伴走することで、遊休施設の活性化だけでなく、地域全体のマネージメントにつなげていくことも構想しています。
「漁業は、事業の性質から農業と比較すると協力体制が整備されていませんでしたが、人口や水揚げの減少が危機的な現在では、そんなことを言っている場合ではありません。このマッチングサービスを通して、海業の課題や危機を少しでも多くの人に知ってもらうことが重要です。そして、このサービスが全国に広がっていくことで、遊休施設を活用したいけれどフィールドが見つけられないという企業・団体と有機的につなぐことができれば、新しい事業が自然と生まれてくると信じています」。そう話す津田さんは、全国の海業がつながることによって、限られた資源やリソースをシェアしていける新しい海業の形も視野に入れています。「将来的には、海業に関する人や施設、技術やノウハウなど、総合的なデータが揃っているプラットフォームにしていきたい」。ドッツの片野坂さんが思い描く理想のサービスに向けて、両社の挑戦は始まったばかりです。

フィッシャーマン・ジャパン
(株式会社フィッシャーマン・ジャパン・マーケティング 代表取締役 社長)
津田 祐樹
株式会社DOTS
代表
片野坂 浩二
▼海業マッチングサービスはこちら
https://www.umigyo-matching.jp/
MEMBER
メンバー
REPORTS
活動レポート

ICCA&WCO2025国際サミットに登壇
2025年5月22日、ICCA&WCO2025国際サミットにて、レンゴー株式会社、対馬市、一般社団法人ブルーオーシャン・イニシアチブは、「海洋課題の現状と企業の立ち向かい方」をディスカッションテーマに登壇いたしました。 […]

第13回ブルーオーシャン・リーダーズ
コミュニティミーティング
【実施概要】●日時:2025年5月16日(金)13:30~17:00●開催場所:YAMAHA MOTOR Regenerative Lab(リジェラボ)●アジェンダ:挨拶/新規会員紹介/ゲスト講演/分科会進捗発表/交流会 […]

ブルーオーシャン・イニシアチブ分科会①
プラスチックバリューチェーン勉強会
1.廃棄物処理の世界~動脈と静脈 産業構造~ 【実施概要】●日時:2025年4月16日(水)18:00~19:00●開催場所:オンライン会場 リアル現場(ヤマハ発動機 リジェラボ・ロート製薬 グランフロント大阪 […]

第12回ブルーオーシャン・リーダーズ
コミュニティミーティング
【実施概要】●日時:2025年2月14日(金)13:30~17:00●開催場所:YAMAHA MOTOR Regenerative Lab(リジェラボ)●アジェンダ:挨拶/新規会員紹介/リジェラボ・取組みご紹介/ゲスト講 […]

第11回ブルーオーシャン・リーダーズ
コミュニティミーティング
【実施概要】●日時:2024年12月13日(金)13:30~16:30●開催場所:LMJ東京研修センター●アジェンダ:挨拶/新規会員紹介/ゲスト講演/分科会進捗発表/交流会●参加人数:会場参加者約65名 オンライン参加者 […]

ResorTech EXPO 2024
in Okinawaに登壇
2024年11月15日、ResorTech EXPO in Okinawa(リゾテックエキスポ)にて、アビームコンサルティング株式会社、一般社団法人ブルーオーシャン・イニシアチブの2社は「デジタルで捉える海とその課題、デ […]

第10回ブルーオーシャン・リーダーズ
コミュニティミーティング
【実施概要】●日時:2024年9月13日(金)13:30〜16:30●開催場所:LMJ東京研修センター●アジェンダ:挨拶/新規会員紹介/ゲスト講演/分科会進捗発表/交流会●参加人数:会場参加者約60名 オンライン参加者約 […]

2024年6月開講「対馬ブルーカレッジ:次世代海業創出プロジェクト研究」において、B O I が協力致します。
2024年5月14日、対馬市交流センターにて、対馬市、サラヤ株式会社、一般社団法人ブルーオーシャン・イニシアチブ、学校法人先端教育機構事業構想大学院大学の4者は、対馬市域の発展や海洋問題解決を目的に「対馬ブルーカレッジ: […]

第9回ブルーオーシャン・イニシアチブ
コミュニティミーティング開催
【実施概要】●日時:2024年5月10日(金)13:30〜16:30●開催場所:事業構想大学院大学 東京校 別館●アジェンダ:挨拶/新規会員紹介/ゲスト講演/分科会/交流会●参加人数:会場参加者約70名 オンライン参加者 […]