大阪・関西万博のレガシーを対馬へ
各社の取り組みもポスターで発表
〜対馬から描く、未来への共創〜

対馬未来フォーラム(Tsushima Future Forum:TFF)

対馬未来フォーラムは、世界最先端のサステナブル・アイランドの実現を目指し、市民、地域団体、学校、大学、企業など多様な立場の参加者が、研究や実践活動の成果を共有する場です。2015年から続く「対馬学フォーラム」と、当法人が主体となって2023年にスタートした「対馬未来会議」を発展的に統合した共創プラットフォームとして位置づけられています。
本年のフォーラムには、会場参加およびオンライン配信を合わせて220名以上が参加。研究者や企業、学生、高校生による発表やポスター発表大会を通じて、島内外からさまざまな視点が集まり、活発な対話と交流が生まれました。

【実施概要】
●日時:2025年12月21日(日)9:30~12:00、13:00~16:00
●開催場所:対馬市交流センター3階
●アジェンダ:
〈午前の部〉開会挨拶/大阪・関西万博「BLUE OCEAN DOME」レガシー寄附受納式/大阪・関西万博BLUE OCEAN DOME「対馬ウィーク」報告/対馬の未来共創クロストーク
〈午後の部〉ポスター発表大会/未来共創カフェ(対馬の食を未来につなげる/海の声、わたしたちの声。/どんぐりの森Cafe/産官学民が集う、“海の未来”を競争する場の構想を描こう!)/「対馬ウィーク」映像上映会/「対馬ウィーク」展示
●参加人数:225名 (会場参加者:220名、オンライン参加者:5名)

フォーラムレポート

開会挨拶

対馬市長 比田勝尚喜氏より開会挨拶

開会にあたり、対馬市長の比田勝尚喜氏より言葉が寄せられました。
2015年から「域学連携」の一環として継続してきた、対馬に関する研究や実践活動の発表の場「対馬学フォーラム」の歩みを振り返り、これまで長年にわたり関わってきた大学・研究者をはじめとする関係者への感謝の言葉が述べられました。 また、「対馬未来フォーラム」として新たな形で開催される今回について、これまで蓄積されてきた知見や人のつながりに、企業連携という新たな視点が加わることで、産学官民の共創を加速させる場となることへの期待が示されました。

ブルーオーシャン・イニシアチブ代表理事 代島裕世氏より共催者挨拶

共催者を代表して、一般社団法人ブルーオーシャン・イニシアチブ(以下、BOI)代表理事の代島裕世より挨拶が行われました。
前日に行われた現地視察を通じて、対馬が抱える課題とともに、現場での取り組みに強く心を動かされたことに触れました。「対馬学フォーラム」と「対馬未来会議」が統合され、「未来」という言葉を冠した本フォーラムが、新たなスタートラインに立ったことの意義を強調。大阪・関西万博BLUE OCEAN DOMEや「対馬ウィーク」を通じて生まれたつながりをレガシーとして大切にしながら、本フォーラムが「知る場」にとどまらず、「次の行動につなげる場」として発展していくことへの期待が語られました。

大阪・関西万博「BLUE OCEAN DOME」レガシー寄附受納式

2025大阪・関西万博 BLUE OCEAN DOMEで実際に使用された物品を、万博のレガシーとして対馬市へ寄附する受納式が行われました。本式典は、万博での取り組みを一過性のものにせず、その成果を地域へと引き継いでいく節目の場として実施されました。
当日は、BLUE OCEAN DOME館長である更家一徳氏(サラヤ株式会社取締役副社長)より、対馬市長へ直接、寄附物品が手渡されました。これらの物品は、万博で発信されたメッセージや実践を、対馬の未来へとつなげていく象徴として位置づけられています。

BLUE OCEAN DOME館長 更家一徳氏よりご挨拶

更家氏からは、大阪・関西万博での取り組みを振り返りながら、対馬ウィークや現場で共有された想いや熱量を、寄附物品を通じて感じ取ってほしいとの思いが語られました。また、万博で得られた成果をレガシーとして地域に残し、次の世代へと引き継いでいくことへの期待が示されました。

寄附物品
BLUE OCEAN DOME ユニフォーム 15着
未来の手指消毒ディスペンサー「PROTEGATE EXPO2025」 1台
対馬ウィークキャラクター「おとーしゃ」実物大模型 1体
“波絵馬”射出成型金型 2個

2025大阪・関西万博BLUE OCEAN DOME「対馬ウィーク」報告

2025年6月に開催された大阪・関西万博BLUE OCEAN DOME「対馬ウィーク」での取り組みについて、活動報告が行われました。
モデレーターを務めたのは、対馬市未来環境部SDGs戦略課 副参事兼係長の前田剛氏。対馬ウィークのミッションや映像、展示を通じ、開催当時の思いや取り組みを振り返りました。続いて、会場で行われたプレゼンテーションとして、BOIからは、サラヤ株式会社 取締役商品開発本部本部長、サラヤ総合研究所所長 平田善彦氏と、レンゴー株式会社 研究開発・環境経営推進部門 中央研究所 所長 堀美智子氏が登壇。
島内から参加した子どもたちや市民代表者、島外の大学生、企業関係者など、それぞれの立場からの報告を通じて、対馬の魅力や課題、そして未来への思いが改めて共有されました。

対馬の未来共創クロストーク

対馬の未来共創クロストークでは、BOI業務執行理事の小宮信彦がモデレーターを務め、対馬市長 比田勝尚喜氏をはじめ、企業、研究者、学生、市民などによる意見交換を実施。
大阪・関西万博「対馬ウィーク」での発信を振り返りながら、万博を通じて生まれた世代や立場を超えたつながりや、次世代へと取り組みをつないでいく意義について話し合いました。
また、地域課題に対し、行政・企業・市民が役割を分かち合いながら進める共創のあり方や、万博を起点に2030年、2050年を見据えた持続可能な島づくりの方向性について議論が交わされました。
対話を通じて、対馬の未来を多様な主体が関わり合いながら、ともに考え、ともにつくっていくという認識が共有されました。

ポスター発表大会

午後のポスター発表大会では、対馬に関する研究や実践活動、今後の計画など、計65本のポスターが発表・展示されました。
市民や生徒・学生、研究者、企業関係者など多様な発表者と来場者との間で、活発な意見交換や情報共有が行われ、立場を超えた交流の場となりました。
BOIは、こうした対話の積み重ねが、次の共創や具体的なアクションにつながっていくことを期待しています。

掲示されたポスター発表の中から、BOI会員によるいくつか取り組みをご紹介します。

対馬の海洋プラスチック問題とその活用/サラヤ株式会社、TerraCycle Japan合同会社

2025年の大阪・関西万博を契機に、両社が連携し、回収された海洋プラスチックを活用した消毒ディスペンサーを開発・設置。製造技術や性能面での工夫を共有するとともに、海洋プラスチックの新たな活用可能性を広げる取り組みを発表しました。

魚箱の段ボール化に向けた取り組み/レンゴー株式会社

資源循環や脱プラスチックといった社会課題に取り組んでいます。発泡スチロールが主流となっている魚箱に代わる選択肢として、対馬の漁業関係者と連携した段ボール製魚箱の包装設計や形態開発を紹介しました。

藻場増殖礁を核とした対馬市での藻場造成・
豊かな森が豊かな海をつくるヤマネコの住む森づくり/株式会社SNC(住友大阪セメント株式会社)

対馬の磯焼けという大きな課題に対し、藻場増殖礁の開発や、環境負荷低減型の藻場増殖礁に関する研究開発の内容を共有しました。あわせて、「豊かな森が豊かな海をつくる」という考えのもと、ツシマヤマネコの住む森づくりに向けた取り組みについても紹介しました。

地域資源を活用した藻場再生の取り組み/オールサム有限会社

対馬の磯焼け対策として、汚泥堆肥やコーヒー麻袋など地域資源を活用した藻場再生を提案。専門知識がなくても参加できる手法を通じ、事業者や市民と協働する循環型モデルの構築を目指しています。

いずれの発表も、企業や地域、研究機関が連携しながら具体的な解決策を形にしようとする実践的な取り組みでした。

最後に

対馬未来フォーラム2025は、対馬が抱える海洋課題や地域課題を共有し、それぞれの立場から次の行動につなげるための重要な機会となりました。BOIは今後も、対馬をはじめとする地域をフィールドに、産学官民の連携による実践と共創を通じて、持続可能な社会の実現に取り組んでまいります。

BOIコミュニティへの参加にご興味、ご関心をお持ちの企業/団体様がいらっしゃいましたら、是非BOI事務局までご連絡いただけますと幸いです。
info@blueocean-initiative.or.jp
皆様のご参加を心よりお待ち申し上げております。

ICCA&WCO2025国際サミットに登壇

2025年5月22日、ICCA&WCO2025国際サミットにて、レンゴー株式会社、対馬市、一般社団法人ブルーオーシャン・イニシアチブは、「海洋課題の現状と企業の立ち向かい方」をディスカッションテーマに登壇いたしました。

国際段ボール協会(ICCA) 概要:
名称:International Corrugated Case Association(ICCA)
目的:段ボール産業を通じて世界経済の発展に寄与することを目的に、
経営管理・包装研究・技術交流・規格標準化等を中心とした活動を行う。

世界段ボール原紙機構(WCO) 概要:
名称:The World Containerboard Organisation (WCO)
目的:段ボール原紙(コンテナボード)業界の発展と持続可能性の向上

●催事名:ICCA&WCO2025国際サミット
●催事URL:https://web.cvent.com/event/e1da2e7f-111f-440d-a555-5a77abe2e562/summary
●会期:2025年5月20日~23日
●会場:リーガロイヤルホテル大阪
●主催:国際段ボール協会(ICCA)/世界段ボール原紙機構(WCO)
●登壇セッションテーマ:「海洋課題の現状と企業の立ち向かい方」

ResorTech EXPO 2024
in Okinawaに登壇


2024年11月15日、ResorTech EXPO in Okinawa(リゾテックエキスポ)にて、アビームコンサルティング株式会社、一般社団法人ブルーオーシャン・イニシアチブの2社は「デジタルで捉える海とその課題、デジタルがつなぐ共創の輪」をディスカッションテーマに登壇いたしました。

●催事名:ResorTech EXPO in Okinawa(リゾテックエキスポ)
●催事URL:https://resortech-expo.okinawa/
●会期:2024年11月14日~15日
●会場:沖縄アリーナ(沖縄県)
●主催:ResorTech EXPO in Okinawa 実行委員会事務局
●登壇セッションテーマ:「デジタルで捉える海とその課題、デジタルがつなぐ共創の輪」

「対馬海ごみシンポジウム2023」にて、
代島代表理事が講演


海洋プラスチックごみやマイクロプラスチックごみ、そしてその回収と再資源化の課題について、日本で海洋ごみが大量に漂着している対馬市で、今後どのような取組を進めていくべきか。各界の有識者が様々な立場から現状共有とアクションについて発表し、ディスカッションをおこなう「対馬海ごみシンポジウム2023」が開催され、BOI代島裕世代表理事が、講演とパネルディスカッション登壇をいたしました。

シンポジウムの冒頭、環境省 水・大気環境局 海洋環境課 大井課長より、「日本をとりまく海洋プラスチックごみの現状と取組」と題し、エビデンスベースでの 海洋汚染の概況と、2024年11月を目指すプラスチック汚染に関する国際条約策定に向けた交渉状況が示されるともに、課題解決に向けた国内での様々なアクション施策が共有されました。また、対馬市 前田係長より、対馬市の海ゴミ漂着の悲惨な現状が報告されるとともに、磯焼けなどの気候変動問題の影響にも触れ、複合的な課題解決の必要性が主張されるとともに、こうした課題解決に向け、BOIのアクションへの高い期待が寄せられました。続けて、鹿児島県大崎町環境政策課 松元課長からは、「リサイクルの町から世界の未来をつくる町へ」と題し、いかにして、行政、市民、企業が一体となって、ごみのリサイクル率日本一を達成したか、その長年にわたる産官学の意識改革と態度変容のノウハウが公開されました。

海ごみに代表される、こうした地球規模の課題解決に向け、企業は事業創造を通じて何ができるのでしょうか。関西再資源ネットワーク 福田社長から、「対馬モデル案構想の実現に向けて〜“海ごみ”から“共創の価値”の創出を目指して〜」と題し、対馬モデルと呼ばれる、海ゴミのサーキュラーサイクルの現状と課題、そして島嶼部における自律的なゴミリサイクルの確立に向けた今後のチャレンジが語られました。そして、講演の最後の締めくくりとして、BOI代島代表理事より、これらの課題解決に向けたステークホルダー連携の重要性と、対馬におけるアクションの活発化、そして2025大阪・関西万博の企業パビリオン「ブリーオーシャン・ドーム」を活用した、海の課題の世界的PRとアクションへの希望が示されました。
(写真は、代島代表理事 登壇の様子)

第2部では、対馬で長年活動される一般社団法人CAPPAの上野代表理事のファシリテーションのもと、登壇者の環境省 大井課長、BOI代島代表理事に、 比田勝対馬市長、清野九州大学准教授、学生ボランティア団体IVUSAの高橋 前プロジェクトマネージャーを加え、活発な議論が展開されました。社会課題の最前線である対馬は、スタディー・ツアーやサーキュラー・エコノミーを学ぶ上で、サスティナブルな社会創造に向けたチャレンジをする企業や社会的リーダーにとって素晴らしい魅力を備えていること、また海に関わる対馬の人々が持つ様々な伝統的知恵やオープンマインドさは、見えない資産を見える化することでもっとグローバルに発信・活用できること、などの意見が交わされました。また、もはや課題認識のステージではなく、具体的なアクションのステージに立っていることが、各登壇者から印象的に語られました。対馬の一般市民が多数参加した会場は熱気に包まれ、「非常に勇気を得た」との感想も多く寄せられ、盛況なイベントとなりました。

翌日には、日韓学生共催に よるビーチクリーン活動が行われ、グローバル・コモンズである海の課題解決に向け、国際的な共創アクションが行われるなど、未来に向けた希望が感じられた2日間となりました。
(写真は、対馬市前田氏説明資料 ©対馬市)

https://www.youtube.com/watch?v=ImRaO-VKDTs


【実施概要】
●日時:2023年7月15日(土)13:00〜16:00
●会場:対馬市交流センター
●主催:対馬市
●講演:環境省、長崎県